3日で人件費6億円カット 中日ナイン「素直にサイン」の謎解き
今週からスタートした中日の契約更改。8日は今季ノーヒットノーランを達成した山井大介(35)が減額制限(25%)いっぱいの2000万円減の6000万円でサイン。快挙達成も査定外というシビアな更改だった。大半の選手が減額制限いっぱいの減俸を食らい、退団した井端の年俸を含めれば3日間で実に6億円超の人件費がカットされたことになる。
それにしても解せないのは、選手が誰一人として文句を言わずにサインしていること。一部のベテランと減額制限を超える減俸になった選手は下交渉を行っているものの、ある中堅選手は「何も文句を言えない雰囲気がある」と漏らす。4位に低迷したとはいえ、それこそゴッソリと給料を下げられたら、文句の一つや二つ出てもおかしくないはずだ。
「功労者の井端が大減俸、退団に追い込まれたことで、中堅、若手が牙を抜かれたことに加えて……」
と、中日OBがこう言った。
「大半の選手は2年前まで落合GMの下でプレーしていた。落合監督当時も年俸は“落合査定”で決められていたから、今回も同じようなものなんです。今の中日には突出した実力があり、落合GMに面と向かってモノを言える選手はいない。減俸に不満があるといっても、文句を言おうものなら、来年、干されるのは目に見えている。実際、落合監督時代には、やり方に反発して使ってもらえなくなった選手が少なからずいた」
落合監督時代の07年には、年俸額に反発していた福留(現阪神)がFAでメジャー移籍したこともあった。大物選手とて反発すれば居場所がなくなる可能性もある。大幅なコストカットに成功した中日にしてみれば、落合GMを招聘した甲斐があったということだ。