茨城・藤代の菊地一郎監督に聞く「県立校のスカウティング」
――常総をはじめとする私学の強豪は結果がすべてのところがありますからね。
「私学は選手を特待生としてスカウトできて、学校では野球で優遇している。授業や試験を受けなくてもいい学校も中にはある。立派な施設もあるし、アドバンテージはあります。でも、普通の高校生としての時間が果たしてあるのかなと。ウチは寮はないので、自転車で1時間くらいかけて学校に通って、練習で遅くに家に帰って、そのままバタンキューになっちゃう。しかも、授業はもちろん、定期テストも模試もある。高校生をやってますよ。だからいつも生徒には言うんです」
――何と声を掛けているのですか?
「『本当なら大好きな野球だけをやりたいかもしれない。でも、おまえらはな、嫌いな勉強もやってしっかり両立している。常総も霞ケ浦の生徒もやってないことをやってるんだ。だから自信もってやれ』と。みんな人間的にまじめで素直なんで手がかからない。補欠になって足を引っ張るような生徒もいませんからね」
――そこが逆にアドバンテージになっていると。