茨城・藤代の菊地一郎監督に聞く「県立校のスカウティング」
「そうです。僕は極端な話、10年連続1回戦敗退でもメシは食えますから(笑い)。私学の監督ならそうはいかない」
――公立は特待生制度もないので、優秀な子は私学に流れることもあるでしょう。選手集めも大変じゃないですか?
「茨城はそもそも高校野球が盛んな公立の数が12~13校程度と少ないですが、僕自身が公立出身なので、環境面等、これが当たり前という感覚の方が大きい。だから誰もが欲しがる、いわゆる『高根の花』の中学生は見に行ったことがないですね(笑い)。藤代に来たいという子たちが来てくれたらいいという考えです」
――それでも3年生には捕手の古谷、一塁の根本ら、中学時代に全国制覇した「取手リトルシニア」の子たちが入っています。どうやって呼んだのですか?
「彼らが藤代に来たいということでした。エースの子(上野)の実力が飛び抜けていて、彼は霞ケ浦に行きました。根本以外は当時、試合にも出ていない補欠だったんです。体が小さいこともあったんでしょう。ただ、僕としては、中学生だし、成長過程にあって、高校で伸びると思っていました」