目玉は誰? プロスカウトが見た夏の甲子園「注目投手」
9日に開幕する夏の甲子園。名将といわれる監督ほど「最後にものをいうのは選手の和」と建前を強調するものだが、突出した個の力がチームを押し上げることは珍しいことではない。松坂大輔しかり、田中将大しかりである。ドラフト上位候補が軒並み県予選で姿を消した今大会、注目すべき「特A選手」はいるのか。複数のプロのスカウトに聞いてみた。
■ナンバーワンは盛岡大付の二刀流
5人のスカウトが「今大会の投手の目玉」と口を揃えたのが、盛岡大付(岩手)の3年生右腕、松本裕樹だ。183センチ、80キロの体から繰り出す直球は今大会最速の150キロ。打っては、高校通算54本塁打の「二刀流」としても注目される。
「二刀流と球速がフォーカスされているが、ただ速いだけではない。投手としては『技巧派』と言ってもいいくらい、変化球もレベルが高い。スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップと持ち球は多彩。県大会では5試合で42イニングを投げて42三振を奪った。ヒジを柔らかく使える投手で、真っすぐには伸びがあり、変化球にはキレがある。異常なほどテンポが速いのも特徴で、常に主導権を握って投げられる。複数の球団が外れ1位候補に挙げています」とは、在京球団のスカウトである。