二刀流希望者急増も 日ハム大谷が「球界の常識」を変える
大谷のような選手が今後、増えるようならプロ野球界にとっても明らかにプラス。野球ファンはいまから楽しみだ。
「伝統芸能の歌舞伎だって新しいことを取り入れて、若いファンを増やそうとしている。球界も従来の考え方にとらわれているだけでは未来はない。プロ入りして二刀流を希望する選手が出てくるのは喜ばしいことです。とはいえ、二刀流の成功はコーチやトレーナーなどの手腕にもかかってきます。選手生命にかかわることなので育成や起用法は難しい」とは前出の工藤氏だ。
■FAにも細かい基準が設けられる
過酷な二刀流で成功する選手が出てくれば、FA(フリーエージェント)制度も見直されるだろう。現在のFA制度は、国内移籍は8年、07年以降のドラフトで入団した大学・社会人は7年で権利を取得。国外移籍は9年だ。でも、投手と野手を兼任する選手が出てくれば、一方だけやっている普通の選手より権利取得年数が短縮されて当然、という意見も出てくるはずだ。
その点をある球団関係者に聞くと、「仮にそういう話が出てくれば、登板数や打席数など細かい基準が設けられることになるだろう。故障して野手に専念したり、球団の事情で投手だけしかやらない時期もあるかもしれないからね。まあ、そんなことが議論になるのは二刀流選手が何人も出てきてからではないか」といって笑う。
常識破りの二刀流をやってのけた選手が実際に出現しただけに、球界の常識、システムが片っ端から覆されても不思議ではない。