当時の投手コーチが振り返る「地獄の伊東キャンプ」の真実

公開日: 更新日:

 走り込みを終え、ヘトヘトになってグラウンドに戻ってくる投手陣を見ると、長嶋監督は喜んだ。

「馬場平からグラウンドに戻る途中の山道に60段くらいの階段があった。グラウンドから一塁ベンチの上を見上げると、ちょうど見える位置でね。監督にサービスしてあげようと、何度か途中でバスを降ろさせ、階段上り5本! と選手にやらせたりもした。這うように階段を上る選手を見て、監督が実にうれしそうにグラウンドから『足が動いてないぞーっ!』などと大声を張り上げる。選手はたまらなかっただろうね(笑い)」

 キャンプ後半、投手陣にはフリー打撃に登板させた。その際、マウンドの前に置く防球ネットを撤去。これも、高橋氏の発案だった。

「ミスターも杉下さんも『善ちゃん、それは危ない。大丈夫か?』と心配したけど、『集中してやれば、球なんか当たりません。仮に当たって骨折しても、開幕まで4カ月ある。骨もひっつくでしょ』と。選手には『当たりたくなかったら、打たれなきゃいい。全力で投げりゃいいだけだ』とだけ言ってね。結局、あのキャンプでは故障者が一人も出なかった。選手の、というより、人間の底力を感じました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭