貧打の巨人打線によぎる「飛ばないボールでV逸」の悪夢
確かに昨季リーグトップの本塁打数を誇った広島に至っては、いまだに菊池の2本のみ。比例して順位も最下位に沈んでいる。開幕から昨季の本塁打王エルドレッドが不在とはいえ、いくらなんでも少な過ぎる数字だ。
今季のこれまでの本塁打数はセ35、パ38本の計73本。ひと回り終了時点で比べると、14年が両リーグ合わせて131本。今季は約半減していることになる。13年は計111本。飛ばない統一球が使われた12年は計53本で、この年よりはマシという程度なのだ。
■パワープレーでねじ伏せる巨人には不利
統一球元年の11年、巨人は飛ばないボールに苦しめられた。前年から本塁打数は226→108、打率は.266→.243、得点は711→471。特に本塁打数は100本以上もマイナスとなり、本塁打の得点率は50%→33%。要するに、本塁打以外の得点が356点→315点に激減したことでリーグ3位となり、V逸した苦い経験があるのだ。
ミズノ担当者は「ボールは去年と変わっていないと思います」と言うが、現場の打者からは“泣き”が入り、それは全体の本塁打数にはっきり表れている。
DeNAは13本、日本ハムも11本と2ケタで両リーグの首位を走る。ホームランで相手をねじ伏せるパワープレーができない巨人にとって、今年の「飛ばないボール」は、厄介な“難敵”になりそうだ。