5度「指名漏れ」の巨人・高木勇が完封 他球団が見逃した成長
「正直、ここまでのピッチャーとは……」
巨人のドラフト3位新人・高木勇人(25=三菱重工名古屋)が、5日の阪神戦でプロ初完封勝利。9回2安打7奪三振の快投で、巨人では15年ぶりの新人開幕ローテ2連勝を飾った右腕を見て、パ某球団の東海地区担当スカウトが笑顔を引きつらせるのである。
「直球が良く、変化球も多彩。対策? 分からない」と阪神4番のゴメスに白旗を揚げさせた高木勇は、三重・海星高時代から名の知れた投手だった。が、プロ志望届を出しながらドラフトにかかることなく、社会人入りしてから14年まで実に5度の指名漏れを経験。12球団のスカウトに「球は速いがノーコン」「いいのはスタミナだけ」と相手にされなかった。
■昨年脱力フォームを体得して様変わり
7年間在籍した三菱重工名古屋の佐伯功監督によれば、「入社した頃はスピードばかり追い求めていた。やってやるぞという気持ちが強過ぎて空回り。力んで制球もフォームも乱していた」そうだが、昨年あたりから脱力する投球フォームを身につけて様変わりした。