徹底多角解剖でドジャース前田健太をより深く知る
「入団時から曲がりの大きいカーブに特徴があって、いいボールを投げていました。ランニングの脚力も新人としてずばぬけていた。当時は体重が70キロほどで細かったこともあり、球団、現場としては1年間、二軍で体づくりをしようということでスタートしたが、故障なく二軍のローテを守った。マウンドで粘る姿が印象的でした。同点まで追いつかれても逆転を許さない。そういう精神面の強さがありました」
■魔球
プロ4年目の10年に、15勝8敗、174奪三振、防御率2.21の成績で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振に加え、沢村賞を受賞。プロ2年目の08年秋季キャンプで代名詞となるスライダーを習得したことが飛躍のきっかけに。広島OBの山内氏は、「同じスライダーでも緩急をつけたり、曲げ方、曲げ幅を変えたりと、毎年、新しいアイデアを取り入れ、試合の中で試すなどして工夫を凝らしていた」と振り返る。
昨年までの3年間、36打数5安打、打率.139と苦手にしていた巨人の長野久義(写真)は、「コントロールは球界で一番じゃないですか。投げミスがほとんどない。あとはスライダーがめちゃくちゃ曲がる。打席で視界から消える感覚」と語る。