初登板初勝利のドジャース前田 「6回84球」で交代の裏側
ドジャース・前田健太(27)が堂々のメジャーデビューを果たした。
6日(日本時間7日)のパドレス戦は6回を5安打無失点。メジャー1号本塁打も放って自身の初勝利に花を添えた。
最速148キロ。球威はメジャー先発陣の中では最低ランクでも、点をまったく与えずに済んだ最大の要因は抜群の制球力だろう。直球、変化球とも低めに集め、無四球で乗り切った。
オープン戦で対戦したアスレチックスのロン・ワシントン三塁ベースコーチは「彼の投げるボースはすべて低め。信じられないほどの制球力がある」と仰天。レンジャーズ時代のダルビッシュや上原(現レッドソックス)のボスで日本人投手をよく知る同コーチは「マエダには勝負できる球が3種類も4種類もあるのだから、彼はメジャーで成功できる」と太鼓判を押していた。スポーツライターの友成那智氏はこう言った。
「球威のない前田がパワーのあるメジャーの打者を封じ込めたのは持ち前の制球力で相手を翻弄したからです。パドレス打線が低調だったとはいえ、制球ミスが少なかったのは評価に値します。田中のように抜けた球が高めに浮くことはなく、抜けても内角に食い込む程度で、とにかく低めを外さなかった。球威はなくても、ときおり内角の厳しいコースを突くことで、打者に踏み込まれる心配もないと思います」