勝負弱いのに全試合出場…G村田ようやく打点13の“珍現象”
直前に阿部が敬遠されても気負いはなかった。
15日の楽天戦。巨人の村田修一(35)が同点の九回裏2死一、二塁から左前へサヨナラ打を放った。連敗を5でストップさせたヒーローはお立ち台で「阿部さんがあの場面で歩かされるのはいつも通り。初球がボールになった時点から心の準備をしていた。なかなか得点圏で打てないでいましたが、貢献できて良かった」と言って観客の笑いを誘った。
決して自虐的に言ったわけではない。それが当たり前だ、と自覚していた。試合前まで打率は.304ながら、得点圏打率はセでワースト4位の.238。この日が64試合目というのに打点はわずか12。信じられない少なさが話題になるほどだった。
そんな「勝負弱い男」は、春のキャンプから高卒2年目の岡本と三塁のレギュラーを争わされたが、開幕から全試合にスタメン出場。レギュラーをガッチリ死守しているのである。
「球団、首脳陣、マスコミが新しい大砲候補、スター候補の岡本の台頭を切望し、村田はほぼ全員を敵に回した状況で、レギュラー争いに勝って試合に出続ける。有望株の岡本を2度も二軍に突き返しているしぶとさです。『チャンスで打てよ』と文句を言いたくなる成績でも、高橋監督は外すに外せない。走者がいない場面でコツコツ安打を放ち、打率3割をキープしつつ、堅実な三塁の守備力が岡本よりはるかに上だからです。60試合以上も先発で出て3割を打っていながら、つい最近まで1ケタ打点だったなんて珍現象。それでもバリバリのレギュラーなんですから」(チーム関係者)