実力不足に援護もなく…稀勢の里「綱とり」への内憂外患
「横綱鶴竜と大関琴奨菊が休場、白鵬も本調子ではなかった。それだけ有利な場所だったのに、優勝できない。平幕相手に2つも星を落としたように、取りこぼしがあるのも相変わらずです。そもそも大関の28場所で一回も優勝がないというんですから、今後も期待できませんよ」
綱とりがかかっていた大関稀勢の里(30)に関してこう言うのは相撲評論家の中沢潔氏だ。
24日の千秋楽。稀勢の里は豪栄道に勝って優勝決定戦に望みをつないだものの、直後の結びの一番で日馬富士が白鵬を下して優勝を決めたためそれもパー。それもこれも自業自得だと、中沢氏がこう続ける。
「左差しで右上手を取らなければ、力尽きてしまう。取り口にまったく進歩がないのは、体の大きさと勢いだけで相撲を取っている証拠。この体勢になったら負けないという絶対的な形や技術を身に付けてしかるべきなのに、何も変わらないのは自分に何が足りないのか分かっていないからです」
自らの実力不足に加えて、周囲を取り巻く状況もシビアだ。相撲担当記者がこう言う。