作新学院・今井はもう400球 夏の甲子園スカウトの“悲鳴”
「これだけ投げると、逆に肩やヒジが心配になりますよ……」
ネット裏のスカウトがこう言った。
ドラフト1位候補・作新学院(栃木)の今井が18日、木更津総合戦に登板して6安打1失点で完投勝ち。132球を投げた前日から連投で、この日は125球。九回には152キロの速球まで投げてスタミナがあることを証明したものの、プロは初戦から計388球を投じた反動を危惧しているのだ。
「技巧派ならともかく、今井は典型的な速球派。それも春先に足を痛めた影響で、5月くらいまで満足いく投球ができなかった病み上がりです。なのに甲子園では1週間のうちに連投を含む3試合に完投。春先のケガの影響で走り込みも不足しているだけに、肩やヒジに負担がかからないか心配なのです。作新は2番手右腕の入江もプロ注目。なぜ今井ひとりに頼るのか分からない」(前出のスカウト)
同じように、ドラフト1位候補を抱えた履正社や横浜、花咲徳栄は、エースを温存、控えを先発させるベンチワークが裏目に出て、いずれも8強入りを逃した。「作新は6年連続出場ながら、過去3年は3回戦までに敗退。ここはかつて指揮を執った監督が怪文書をバラまかれたこともあるくらいOBや周囲がシビア。とにかく結果が欲しいのではないか」とは別のスカウトだ。