プロ球団も嘆息する 早大の凄まじい“スカウティング攻勢”
「目ざといというか、節操がないというか……」
某スカウトが早大の選手集めについて、苦笑いを浮かべてこう言った。
「今年はすでに寺島(履正社)と藤嶋(東邦)に声を掛けて断られたらしいよ。毎年、全国各地のトップクラスの高校生に声をかけている。2年前のセンバツ優勝投手の小島(浦和学院)もそうやって口説いた。今年もプロ注目左腕の早川(木更津総合)が早大に進学するって話だ。寺島も藤嶋も以前からプロ志望、大学に行くはずがないのに、あわよくばで口説こうとしている。『U-18』の代表選手は間違いなく取りにいきますよ。本人のプロ志望届が出てからでなければ動けない我々と違って、大学は縛りがないからね。とにかく声を掛けるだけ掛けようということでしょう」
早大は全国各地にOBの“スカウト”がいる。早大出身のさる高校の監督がこう言った。
「かつて巨人やプリンスホテルなどでも辣腕を振るった石山建一さんが早大の指揮を執っていたころ、教え子たちを全国にばらまいた。その際、『各地方で良い子がいたら早大に入れてくれ』と言ったそうです。彼らは各地で指導者や野球に関わる仕事をしながら、早大に選手を送り込んでいる。石山さんの教えは今も受け継がれているんです」
今夏の甲子園は例年になく投手が粒揃い。早大の“スカウト”たちは大忙しに違いない。