プロスカウトが厳しく評価 夏の甲子園で株上げたのは誰だ
「甲子園で評価を上げたのは寺島(183センチ、85キロ、左投左打、履正社)と今井(180センチ、72キロ、右投右打、作新学院)だね」
ネット裏のスカウトが口を揃えてこう言った。
最速149キロの寺島は、14日の横浜(横浜)戦で雨と雷による2度の中断を挟みながら集中力が切れることなく1失点で完投勝ち、スカウトをうならせた。
楽天の早川副会長補佐が「変化球で空振りが取れるようになれば、1年目から10勝する可能性がある」と話せば、関西地区担当のオリックス谷口スカウトはこう言った。
「横浜という強い相手に、初めて気持ちが入った投球を見た。課題といわれたスライダーのキレも良く、大舞台でもしっかり投げられることを証明した。初球に平気で135キロの抜いた速球を投げるなんて、相手が打ってこないのをわかっているかのよう。一球一球、考えて投げている。打者の観察力も高いのでしょう」
関西担当の中日米村スカウトも同意見だ。
「初回から九回まで必死に投げる姿を見たことがなかった。強い相手にどんな投球をするか、実力を測る目安になると思ったが、まったく心配なかった(笑い)。コース、高低とも間違いがないし、あの大舞台でマイペースで楽しんで投げていた。大学、社会人を含めて一番と思ってきたが、それを確信することができました」