常軌逸したJOC宣言 東京五輪「金で3位以内」の危うさ

公開日: 更新日:

 だが、4年後の東京五輪に向けて、民間やサッカーくじの売り上げ、多額の税金などにより「メダルを狙えるサイボーグ」が数多くつくられ、国威発揚の道具にさせられるのがオチである。

「金メダル30個という目標は、すなわち中国(リオは金26・銀18・銅26)を抜くことです。それはアジアの覇権争いに他ならず、露骨なナショナリズムです。欧州ではスポーツ・フォー・オール(みんなのスポーツ)運動を進めている。一部の才能や機会に恵まれた者だけではなく、性別や年齢、階層などを超えた全ての人々がスポーツに関わり、楽しめることは基本的人権であるという認識に基づくものです。代表候補にばかり金を使い鍛えあげる金メダル至上主義はそれとは対局にあり、人間性を剥奪するものです。それで多くの金メダルを取っても、国民を豊かにすることなどできません」(前出・谷口氏)

 橋本団長兼強化部長は、前回の東京五輪開幕5日前に生まれ、聖火にちなんで「聖子」と名付けられたそうだ。それなら今の任務は天職かもしれないが、国民は「五輪教」にうつつを抜かしてはいけない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???