加害者意識なき日馬富士 それでも持ち上げるメディアの愚

公開日: 更新日:

貴ノ岩に「ちゃんとした生き方をして」

 こんなフザケた会見になったのも、大マスコミの責任が大きい。お涙頂戴のヨイショ質問ばかりだったからだ。

「ファンへの思いは」「師匠の涙はどういうふうに受け止めた」「今場所、土俵に上がっていた気持ちは」……などと、どうでもいいことばかり。こんな調子だから、日馬富士は笑顔こそ見せなかったものの、サッパリした表情で「私は相撲を愛しています」「心から感謝を申し上げます」「国民の皆さまに感動と勇気」「素晴らしい17年間」などと歯の浮くようなセリフが出るわ出るわ。その一方で、貴ノ岩に対する今の気持ちについては「傷つけて申し訳なかった。これからは礼節と礼儀を忘れずにちゃんとした生き方をして、しっかり頑張っていってほしいと思う」ときた。恐らく、今でも礼節と礼儀が足りないからおまえはブン殴られたのだ――と思っているのだろう。「ちゃんとした生き方をして」なんて一体、どの口が言っているのか。まるで加害者意識ゼロだ。

 そんな日馬富士をテレビ局の中には「モンゴルで病気の子供たちのための活動をしている」「日本式学校建設への出資をしている」と持ち上げていたから、狂っている。慈善活動していれば暴力を振るってもいいのか。シタリ顔で「引退は残念」とか言っているコメンテーターは、自分の家族の頭がカチ割られても同じことが言えるのか。今回の暴行事件は相手が力士だったから、頭部を縫うぐらいで済んだが、一般人だったら亡くなっていたかもしれないのだ。

 いつまで経っても大相撲の非常識なゴロツキ集団体質が変わらないのは、大マスコミのヨイショ報道も要因なのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も