2年ぶりゴジラ松井巨人臨時C 異例の熱血指導50分の理由
■巨人の現状が浮き彫り
とはいえ、である。松井がこんなに長時間の密着指導を行うのは異例のこと。これまで臨時コーチを務めた際は、教えるにしても、「ワンポイントアドバイス」が主だった。これは、「いつもチームにいるわけではない『臨時』の立場の自分が何かを言って、それが打撃コーチの理論と違ったら、選手が混乱するからね」というのが理由。特に若手となれば、松井に言われたことは絶対。自分の言葉にがんじがらめになって欲しくないと思うからこそ、指導は「見る」ことが中心だった。選手、首脳陣への配慮が根底にあったのだが、それがどういうわけか。
巨人は高橋監督が就任してから2年連続V逸。3年契約の最終年を迎えている。チームとしても3年間リーグ優勝から遠ざかっているという事情がある。
「松井が2年前に来た時は、1歳年下の盟友・由伸監督がこれから船出というタイミングだった。それが特に昨季は球団ワーストの13連敗を喫するなど、Bクラスの4位と散々な結果。得点力、長打力不足の貧打で由伸監督が苦悩している。松井は米国生活でも巨人の動向は逐一チェックしているみたい。『臨時コーチ』とはいえ、2年ぶりに巨人に来たからには、今年はワンポイントアドバイスで、という雰囲気ではないのでしょう。松井が禁を破って積極的に教えるほど、巨人が苦しい状況ということです」(球界関係者)
きょうのターゲットは、高橋監督に言われた岡本か吉川尚か。期間中には二軍にも行く予定となっている。本気の「ゴジラ塾」が、巨人の現状を物語っている。