大坂なおみ“絶不調の深層”自信喪失を招いた周囲の経験不足

公開日: 更新日:

■「ハードコートのスペシャリストに」

 チームの戦略上の問題も大きい。大坂がフェデラーのようなオールラウンダーを目指すというだけではチーム戦略とは言えない。最大の武器がパワーの大坂をどうやってオールラウンダーに変えていくのか。彼女の長所を生かしながら、何が必要かを長期的視点に立ってプランニング、実行するのがチームとしての戦略だろう。これまで力任せで勝ってきた大坂に対して、いきなり小技を磨けと言っても困惑するだけだ。

「いまの大坂は自分がどうしていいか分からずに、頭を抱えているようにしか見えない。要するに気持ちの問題が大きいわけで、一変する可能性もあるにはあります。ただ、彼女は、全米と全豪で勝ったように何よりハードコートが得意なのだから、まずはハードコートのスペシャリストになるべきではないか。ハードのスペシャリストになった上で、徐々に赤土のクレーや芝でも勝てるオールラウンダーを目指していけばいいと思う」(前出の武田氏)

 成功例は先の全仏を制したナダルだ。クレーが得意なナダルが最初に全仏を勝ったのは2005年。まずは全仏だけ狙って4連覇、次にウィンブルドン(08年)、次に全豪(09年)、それから全米(10年)と年齢や成長に伴い、段階を踏んだうえでキャリアグランドスラムを達成した。

 4大大会を連覇したからといって、すぐに残りの2大会も勝たせようとオールラウンダーへの転身を急いて彼女の長所まで殺してしまうようでは、ハンドリングがマズいとしか言いようがない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…