スコットランドにはショック…稲垣のトライが生まれた背景
何度も何度も練習場で繰り返したプレーがトライとなって、ジャパンのメンバーは士気が上がらないはずはないし、スコットランドの面々は普段の被トライよりもショックを引きずってしまったのではないだろうか。
今大会を見ていると、もうシンプルなボール回しでは、トライに行き着かないという印象を抱いた。ただ右に左に、時に中央から――では、たやすく対処されてしまう。これからパス回しがどう進化していくか? 注目していきたいと思う。
■苦闘の日々
W杯開幕前に日刊ゲンダイのインタビューを受け、話題が前回大会の南ア戦勝利に移った。その時に凄い、よくやってくれたという思いと同時に「なぜ私はピッチ上にいないのだろうか?」「あの場所でわたしもプレーしたかった」としみじみ思った、と答えた。まだ、どこかに現役選手気分が残っていたのだろう。
しかし、今大会のジャパンの躍進ぶりを見ていても「あの場所に立ちたい!」という欲求は湧き上がってこなかった。
代表の後輩たちは、実に素晴らしい戦いをやっている。今のジャパンの快挙は、苦闘の日々だった我々の時代から連綿とつながっているんだなぁ……。