スコットランド戦のキーマン WTB松島幸太朗の“超速伝説”
ラグビー日本代表の背番号14・WTB松島幸太朗(26)にボールが渡っただけで、スタジアムに歓声が巻き起こる。瞬時にトップスピードに入るその速さ、相手を抜き去る鋭いステップにどよめく観客――。貴重なボーナスポイントを獲得する5日のサモア戦の4トライ目もそうだった。
12年前から変わらないシーンだという。
「幸太朗がボールを持ったらトライになる。そんな感じでした。彼の能力は、当時からずばぬけていました」
プロコーチでコーチディベロッパーの今田圭太氏(37)がそう振り返る。
■中学生で50メートルのゴールキック
松島が日本で本格的にラグビーを始めたのは中学校2年のとき。1年間の南アフリカへの留学から帰国し、東京・杉並区を拠点とするラグビースクール「ワセダクラブ」に入団。
そのときの指導者が、今は社会人ラグビー「ビッグブルーズ」のヘッドコーチを務める今田氏だ。
「練習初日のパス練習を見て、『これは、すごい子が来たぞ』と思いました。足が速く、ステップもすごい。それだけじゃなくて、パスもキックもレベルが高かった。トータルの能力がすごかったですね。南アフリカで1年(ラグビーを)やっていたとは言ってたけど、ポテンシャルの高さに驚きました」