“泣き虫少女”の大坂なおみを変えた 恋人と敏腕マネの存在
「セカンドサーブが安定しているから、ファーストサーブから思い切った攻撃ができる。以前よりはるかに攻撃的なテニスをしています。集中力も途切れず、しっかりと相手と向き合っていることからも、今大会の大坂の勢いは本物と見ていいでしょう。この調子を維持できれば、2018年以来、2度目の栄冠を手にするのは決して不可能ではないと思う」
技術の向上に加えて、今大会はメンタル面の成長も見逃せない。これまでの大坂はミスをすると、ラケットを地面に叩き付けるのは当たり前。金切り声を上げて自身への苛立ちを隠さなかった。試合中、ふてくされた態度を取り、ベンチで人目をはばからず、涙を流すことも珍しくはなかった。今年2月の国別対抗戦では格下選手にストレート負け。50本のアンフォーストエラーを犯し、試合後に涙した。18年の中国オープン準々決勝では、サーブ、ストロークともミスを連発し、打つ手がなくなり、泣きながらプレーして相手選手を呆れさせたこともある。
そんな大坂が、「自分は(黒人の)代表だと思っているし、だから負けられない」と言うようになった。黒人差別抗議行動からパワーをもらっているというのだ。