Gドラ1は投手捨て野手に…乗り換えた原監督の不安と不満
当たらない助っ人野手
巨人は優勝へのマジックを7としている今でも「頭数が足りない」という先発投手陣の問題は解消していない。さらにこのオフは、エース菅野がメジャーに流出する可能性があり、最大の懸案事項となっている。早川が別人のように良くなったことは、巨人のスカウトももちろん把握している。
現レギュラーには、丸、大城といった一発のある左打者がいる上、外野陣では松原ら若手が台頭してもいる。それでも早川でなく、佐藤を指名するのにはワケがある。前出の関係者がこう言った。
「最近ならマイコラス(カージナルス)など外国人投手は当たることもあるのに、助っ人野手はサッパリ。今年もパーラが打率・267(4本塁打、13打点)ですでに米国に帰国。途中加入のウィーラーも・257で、この日の打順は6番でしょう。原監督が『助っ人が下位を打っているようじゃダメ』とよく言うように、そんな不安や不満もドラフト戦略に影響している。FA戦線で今オフ山田哲人(ヤクルト)、来オフ鈴木誠也(広島)といった大物野手が獲得できないかもしれないという不安も関係しているでしょう。今年のドラフトは大学生や社会人の即戦力投手が豊作。外れ1位、2位以下でも、まずまずの投手が残っているという計算も働いているようです」
原監督には2006~15年の第2次政権終盤に「貧打」に苦しんだトラウマがある。リーグ優勝を果たした14年は規定打席到達者で3割打者がゼロ。翌15年も同様で最も打率が高かったのは坂本の・269という記録的貧打でV逸となった。巨人は過去に2年連続で誰も3割を記録しないシーズンはなかった。そんな球団史上初の不名誉な記録とともに、巨人の監督を辞しているのだ。今季はリーグトップの得点力を誇るが、3割打者が一人もいない状況は14年と同じだ。
かくして巨人の1位指名は早川でなく、佐藤なのだ。