日本サッカー東京五輪代表「最強説」は本当か? メダルへ5つの追い風
東京五輪サッカー男子日本代表を率いる森保一監督(52)は「金メダルを目指す」と公言している。「現時点でのベストメンバー」と選んだ18人は「最強」の呼び声が高い。MF久保建英(20=ヘタフェ)、MF堂安律(23=PSV)に加えて、主将のDF吉田麻也(32=サンプドリア)、DF酒井宏樹(31=浦和)、MF遠藤航(28=シュツットガルト)のオーバーエージ(OA)枠3人はA代表でも主力。メダルの可能性を探った。
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「金メダルが取れないとおかしい。そう言っていい条件が揃っています」
元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がこう指摘する。
第一に海外組の招集率の高さが挙げられる。欧州各国のリーグはシーズンに向けた準備期間と重なるため、日本協会が各クラブを回り、地道に招集の交渉を進めたことで、海外組は前回の2人から半数の9人に増えた。前出の六川氏がこう言う。
「OA枠でFW大迫勇也(31=ブレーメン)が入っていれば、なおいいのですが、森保監督が言うように、堂安や久保をはじめ、ほぼベストの海外組を招集できた。W杯と違って招集に拘束力がない五輪では大成功といえるチーム編成です。田中碧(22=デュッセルドルフ)はドイツのブンデスリーガ移籍1年目。開幕直前なので、チームに合流したいところでしょうが、それだけ覚悟を持って参加しているのです」
次は地の利である。日本特有の夏の暑さの中、中2日で最大6試合の過密日程。今回は欧州組が大半を占めるものの、直前合宿で対策は進んでいる。六川氏が言う。
「欧米の強豪国にとって日本の高温多湿の暑さは想像以上にこたえるものです。国内組はこの暑さに慣れているし、気温が上がれば上がるほど日本が有利といわれています」
3つ目はコロナ禍の後押しである。日本以外の各国は直前合宿の予定が変更されるなど、思うように調整ができずに本番を迎える。自由に外出して気分転換をすることもできない。同じカンヅメでも、自国と他国の選手とではストレスのたまり方に差があるのだ。
4つ目は移動のアドバンテージだ。
日本のグループリーグ3試合は、東京、埼玉、横浜で行われる。準々決勝以降でも、鹿嶋で1試合(1位通過=準々決勝、2位通過=準決勝)があるだけで、全て前出の首都圏3会場のため、移動は狭い範囲に限られる。
同じグループAの南アフリカ対メキシコ戦は札幌ドームで行われるため、空路での移動が必要だ。今大会は決勝以外は全て中2日。札幌や宮城への移動が避けられるだけでメリットといえる。