東京五輪は熱中症との戦い…海外強豪選手すらバタバタ棄権もあり得る
今後、海外の強豪や有力選手にケガ人が続出する可能性もあるのだ。
■熱中症で棄権する選手が続出
23日、アーチェリーのロシア人女子選手が予選を終えた直後に意識を失いチームメートの前で、バタリ。試合で燃え尽きたのではない。殺人的な酷暑による熱中症にやられたのだ。
この日の東京都心の最高気温は34.0度で、9日連続の真夏日となった。倒れたゴンボエワ(23)は「こんなの初めて。ウラジオストクも暑かったけど、ここまでジメジメしていなかった」と話している。
「高温多湿」といわれる日本の気候に加え、満足な事前合宿を行えず、日本の環境に慣れていないのも大きな原因だろう。
大会期間中の最高気温は平均30度を上回ることが予想されており、米CNN放送は「五輪史上最大級の猛暑」と報じた。温度、湿度ともに1984年ロサンゼルス五輪以降、最悪の数値になると見込まれているそうだ。専修大学文学部の長野智子特任教授は同記事を引用しつつ、「馬も暑さにとても弱いので馬術もかなり心配」と投稿。もの言えぬ乗用馬までも、命の危険にさらされかねない。
東京五輪を招致する際、「(開催時期は)温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」とアピールしていたが、実際は毎年死者すら出るほどの酷暑。選手たちはライバルとコロナ禍のみならず、熱中症の恐怖とも戦わなくてはいけない。