<6>興味すらなかったのに…私とスケートをめぐり合わせたスーパー転校生
家族の協力でスケートを続けてこられたが、実は兄も姉もスケートをやっていなかった。兄は野球、姉は当時婦人警官に憧れていたことから剣道を習っていた。
■火をつけた「ピンクのリボン」
じゃあ、私はなぜスケートを始めたのか? 私の人生を変えたのは、3年生の4月、光岳小に転校生してきた女の子だった。それまで、私がスポーツで競り合うのは男の子で、運動会では真剣に走らなくても1位。正直、敵なしだった。そこへ、やって来た転校生。すぐに仲良くなったものの、マラソン大会やいろんなスポーツ大会に誘われるたびに一緒に出ると、負けるのはいつも私。それも、惨敗。運動会では1位を取ると赤いリボン、2位はピンクのリボンがもらえるのだが、私の胸はピンクだらけになった。
「お? これはちょっと張り合いがあるぞ」
悔しさが込み上げてきた頃、その子から冬に「光岳スポーツ少年団」でスケートをやっていると聞く。
「その子ができるならできるかも。一緒にやってみよう」