若隆景が86年ぶり新関脇Vの快挙!実直な小兵が貫く「正攻法」
新関脇の優勝は1936年の双葉山以来となる快挙だ。
高安との優勝決定戦に勝利し、初めて賜杯を掴み取った若隆景(27)。実直な性格で、優勝インタビューでは昭和の角聖に匹敵する快挙を告げられても、「来場所からが大事だと思います」と淡々。それでも「玉鷲関が『相撲を教えてほしい』と言っていた」と振られると、「はい……困ります」と、苦笑い。福島県出身力士として「震災から11年。まだまだ復興が進んでいないところもある。自分が土俵でできることを精いっぱいやって、いい姿を見せたい」と話した。
祖父は元小結若葉山、父は元幕下若信夫という相撲一家に生まれ、長男の若隆元、次男の若元春は高卒で荒汐部屋に入門。一方、若隆景は東洋大を経て、兄2人と同じ部屋に入門した。
「家族のこともあり早く角界入りしたかった長男、俊英と期待が高かった次男に対し、若隆景は高校を卒業した時点で相撲に自信がなく、大学で鍛える道を選んだ。性格はとにかくマジメのひと言。余計なことは一切言わず、礼儀正しくて気配り上手。コロナ前の話だが、稽古後にお客さんとちゃんこを囲んでも、器が空になると真っ先に気付き、『おかわり、どうですか?』と勧めてくれる。絵に描いたような好青年ですが、そこは男だけの3兄弟。子供の頃は1つ年上の若元春と、よくケンカをしていたそうです」(タニマチ筋)