2030年札幌五輪は“ザル勘定”の極み! 開催経費は予算の2倍「4400億円超」と予測
「現在の支持率のままでは厳しい」
14日の定例会見で日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は焦りを募らせた。
2030年冬季五輪の開催都市に立候補する札幌市だが、市民感情は冷めているからだ。北海道新聞が4月に発表した世論調査によると、市民の57%が開催に「NO」を突きつけている。
賛同を得られない大きな理由のひとつが予算面だ。20年秋にオックスフォード大学が発表した論文によると、1960年以降の五輪はすべて当初の予算を超過しており、支出は平均172%に膨れ上がっているという。無観客開催となった東京大会の惨劇は言うまでもないが、種目数が少なく運営を制御しやすいとされる冬季五輪にしても、直近の北京大会は中国政府発表額の10倍の4兆円超、その前の18年平昌大会にしても支出は予算案の4倍になった。
■「低予算」「税金非投入」を謳うが…
そこで、札幌市は新会場を造らないことを掲げ、「低予算」「税金非投入」を謳っている。同市のスポーツ局招致推進部の担当者は「開催が決まった場合、予算案の2000億~2200億円を絶対に超えないよう、死守しなければと思っている」と話すが、「間違いなくオーバーします」と断言するのは、東京五輪関連の著書がある作家の本間龍氏だ。