織田信成モラハラ裁判で浮き彫りに…フィギュアスケート界が抱える「闇」
1日、フィギュアスケートバンクーバー五輪男子代表の織田信成(35)がモラルハラスメントを受け、当時務めていた関西大学アイススケート部監督を2019年に辞任に追い込まれることになったとして、同部の浜田美栄・元コーチ(63)に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が大阪地裁で行われた。当日は両者が出廷。主張が食い違う全面対立のまま結審となった。
織田によれば、関大リンクでの練習方法が「危険だからやめてほしい」と提案したところ、浜田元コーチが激高。更衣室から自身の悪口が聞こえてきたり、世界選手権の会場で挨拶を無視されたりといった嫌がらせが続いたという。
フィギュアの世界では陰口や陰湿ないじめ、無視などが横行しているという。選手への指導も“虐待”スレスレで、それが選手の精神を蝕むこともある。今回はコーチによる監督いじめだが、ある意味ではフィギュア界の抱える病巣が浮き彫りになったようなものだ。
スポーツライターの小林信也氏が言う。
「フィギュアは選手とコーチの師弟関係が強く、昔から高圧的な指導が続いてきた競技のひとつでもあります。浜田元コーチも典型的な昔ながらの指導者で、それを本人が良しとしている。『今なら完全にアウトだよね』というような言動も多い。私はこれだけ選手を勝たせているのだから、という事実を後ろ盾に、すべてが正しいと言い続けているところがすでに古いといえます」