春高バレー就実の悲嘆とドタバタ…コロナ欠場後のPCR検査は陰性、それでも“救済”されず

公開日: 更新日:

「……しんどいです」と、声を振り絞ったのは就実高(岡山)の佐原教頭だ。

 現在開催中の春高バレーは、大会前に全出場校と関係者に対し、新型コロナウイルスの抗原検査を実施。「1人でも陽性反応が出たら欠場」という厳しい条件が設けられていた。

 女子・就実高は3連覇を懸けて大会に臨んでいたが、検査で2人から陽性反応が出てしまったことで欠場が決定。選手は涙を呑んだが、その後、試合会場で再度検査すると、1人は陰性。これを受け、学校側は独自で残りの1人に抗原検査ではなくPCR検査を行うと、今度は陰性の結果が出たのだ。

 しかし時すでに遅し。トーナメントの都合もあり、大会事務局は救済措置を設ず、就実は試合をすることなく大会を去った。

 抗原検査もPCR検査も万能ではないし、大会の運営団体によって、それぞれのコロナに対する基準や方針がある。それでも、大きな禍根を残すことになったのは間違いない。佐原教頭が言う。

「大会の規定に則ったら欠場になる。でも、高校野球などに比べて救済システムがない……。取り返しがつかない。我々は、日頃から選手が練習しているのを見てきています。ほとんど寮生で、時おり西畑監督がご飯を作ったりしているのも知っている。やりきれない気持ちです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???