横綱照ノ富士「余生」は悠々自適! 優勝10回、名古屋初V、節目の記録を次々達成
目指してきた相撲とは何か。中継の解説を務めていた音羽山親方(元横綱鶴竜)は「自分からどんどん攻めていく相撲ではないか」と話した。
別の親方は「付け加えれば」と、こう続ける。
「立ち合いから鋭く踏み込んで、圧力をかけながら前に出る。理想は左上手だが、形にはこだわらない。何よりも圧力と前に出ることが重要。特別なものではないが、ある意味、これが徹底できれば誰にも負けない。実際、今場所は機先を制し、相手に力を発揮させずに勝つ相撲が多かった」
節目の記録に、理想の相撲。この2つを叶えた照ノ富士について、協会内では「やるべきことはすべてやり切った、という思いが本人にはあるのでは」という声が出ているという。
ベテラン親方が言う。
「ケガと病気で大関から序二段まで落ち、そこから這い上がって横綱に昇進。様々な記録も達成した。優勝も10回を数えた。偉業という他なく、本人が満足しきっても不思議じゃない。今後は誰か後継者が育つまでは一人横綱として適宜に土俵を引っ張り、理想の相撲の追求に時間を割くのではないか。そうした『余生』を選んだとしても、誰も文句を言えないほどの功績がありますから」