かつての横綱が“満身創痍”照ノ富士を語る「本人が一番つらいはず」と八角理事長&芝田山広報部長
「その時」はいつかやってくる。
途中休場した昨年7月場所以来、3場所ぶりに土俵に復帰した横綱照ノ富士(32)。22日は錦木と対戦。立ち合いで相手の左腕をきめ、投げで体勢を崩してから右差し左上手の型で寄り切った。
これで7勝2敗。もっか優勝戦線トップは琴ノ若、阿武咲、大の里の1敗力士3人。2敗の照ノ富士にも十分可能性があるとはいえ、果たして来場所は出場できるのか。再び長期休場となるのではないか、という懸念は付きまとう。
前回の大関昇進後にはケガと病気で序二段まで陥落。それでも不屈の闘志で大関に返り咲き、横綱昇進を果たした復活劇は相撲ファンの胸を打った。
しかし、すでに体はボロボロ。両ヒザと腰にバクダンを抱え、糖尿病も患っている。昨年は5場所休場し、4場所が全休。皆勤は1場所のみだった。
そんな横綱を、かつて土俵の頂点を極めた2人、八角理事長(元横綱北勝海)と芝田山広報部長(元横綱大乃国)はどう見ているのか。
八角理事長は「非常によく頑張っていると思う」とこう続ける。
「ただ、以前と違って必死にならなければ勝てなくなっているのも事実。これは私もそうだったし、そうした姿を見せることもまた大事だと思う。私も(晩年の)千代の富士さんが上手を取って、相手に頭をつけながら必死に勝つ姿も見ていますから」
芝田山親方も「照ノ富士のケガが今まで以上に良くなることはないでしょう。本人が一番つらいはず」と、理解を示す。