頭脳明晰ドジャース指揮官の正体…ロバーツ監督は先発の見切り早く、選手にマンツーマンで気合注入
頭脳、実績、采配の特徴
■頭脳:UCLAでは歴史学を専攻、学位を取得して卒業している(メジャーリーガーは通常3年終了時にドラフトで指名されてプロ入りするため、9割以上は「大学中退」で卒業証書を持っている選手はわずか)。
■監督としての実績:16年にドジャース監督に就任後、9年連続でポストシーズンに進出している常勝将軍。ただ22年に111勝、23年も100勝と、ぶっちぎりで地区優勝しながら、ポストシーズンでは初戦の地区シリーズで惨敗したため、大舞台に弱い指揮官と揶揄された。しかし、故障者が大量発生した昨季、2度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げ、そうした声は聞かれなくなった。17年に29年ぶりでワールドシリーズに進出すると、翌18年はチームのモチベーションが上がらず、5月16日時点で16勝26敗と大きく負け越し。ポストシーズン進出を絶望視されるも、選手一人一人にマンツーマンで気合を入れて士気を立て直し、最終的に92勝71敗で地区優勝。この時は抜きんでた統率力を高く評価された。
■采配の特徴:先発投手の交代が早い監督の代表格。16年から4年間在籍した前田健太は好投していても五回終了か六回途中で交代を告げられるケースが多かったため、不満タラタラ。降板後、ベンチでロバーツ監督に直接不満をぶつけるシーンが何度か見られた。不満はトレード志願に発展し、20年のキャンプ直前、ツインズに放出された。この年はコロナ禍で60試合制になったが、マエケンは早い回の交代がなくなって絶好調。サイ・ヤング賞投票で2位に入る活躍を見せた。今季ドジャースは投手・大谷翔平の復帰に伴いシーズンの大半を6人ローテーションで回すプラン。登板間隔が空く分、六回終了か七回途中まで投げさせるケースが増えるだろうが、日本で最高129イニングしか投げた経験がない佐々木朗希に関しては、故障しないことが優先されるため80~90球で交代になる可能性が高い。この球数だと、1イニング平均17、18球で終わらせても五回終了まで届くかどうかという計算になる。