今日の新刊
-
「日本とスペイン文化交流の歴史」坂東省次、椎名浩著
日本に来たスペイン人といえば、まず挙げられるのが、1549年、キリスト教の布教に訪れたフランシスコ・ザビエルだ。 400年後、産経新聞京都支局の記者だった福田定一(司馬遼太郎)は、ザビエル来…
-
「アンタッチャブル」馳星周著
人身事故を起こした宮澤は捜査1課から公安部外事3課に左遷された。上司は東大卒のスーパーエリート・椿警視だが、彼はベタぼれだった妻を無能だとみていた同僚の塚本に寝取られて以来、おかしくなったという噂だ…
-
「後半生のこころの事典」佐藤眞一著
人生の後半には、退職、親の死などさまざまなライフイベントに出合う。特に退職後の生活は夫婦の心のすれ違いが起こる。専業主婦は、社会的評価を得たいと思い、家事を効率的に済ませて趣味のサークルやボランティ…
-
「会話の全技術」齋藤孝著
スピードが重視される時代には、用件を手短に伝えながら人間性も感じさせるコミュニケーション力が必要だ。人を動かすためには声が相手の耳と心に届くことが重要で、音読をして歯切れの良さを身につけることを勧め…
-
「涙のあとは乾く」キャサリン・ジェーン・フィッシャー著、井上里訳
2002年、横須賀の米軍基地の近くで恋人を待っていたとき、著者は米兵にレイプされた。神奈川県警は捜査やレイプの証拠保全は後回しにして、ショックを受けている著者を犯行現場に連れていき、体に巻き付けた毛…
-
「破落戸(ごろつき)」諸田玲子著
北町奉行所の定町廻り同心、篠崎弥左衛門の懐刀の瓢六はある日、阿部伊勢守の兄、不争斎に仕える奈緒に呼び出された。西洋医術の心得のある医者、江庵の家の内情を探ってほしいと言う。この家を訪れた書肆、武士、…
-
「誘神(いざないがみ)」川崎草志著
〈青い所〉で斉原柊一は老婦人に「あなたは、お亡くなりになっています」と告げた。老婦人の姿は消えた。柊一は岩尾野町でツゲサンと呼ばれる家に生まれた。生者の世界と死後の世界の境でさまよう者に死を宣告する仕…
-
「日米開戦の正体」孫崎享著
安倍首相が、紛争国から脱出する日本人を乗せる米国の船を守るためという詭弁を弄して集団的自衛権を主張している。米国国務省は、米国政府の輸送手段で米国市民以外の者を搭乗させることはないと言明しているのに…
-
「山月庵茶会記」葉室麟著
かつて黒島藩の勘定奉行を務めた柏木靱負が豊後に帰ってきた。柏木は16年前、家老の座を土屋左大夫と争って敗れ、藩政から身を引いた。それだけではなく、妻の藤尾が不義密通の疑いをかけられて自害するという悲…
-
「21世紀のマダム・エドワルダ」大岡淳編著
2013年に、阿佐谷でジョルジュ・バタイユ原作の「マダム・エドワルダ」が人形劇で上演された。人形のデザインを担当したブブ・ド・ラ・マドレーヌ氏は、以前フランスで、その土地の観客がどういう生活をしてい…
-
「子宮頸がん ワクチン事件」斎藤貴男著
2009年に日本で子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が承認されてから13年までに328万人もの少女に接種された。だが、自分の母親さえ分からなくなったり、知能が低下するという重篤な被害も出て積極的な…
-
「西村和雄の有機農業原論」西村和雄著
有機農業はこれまで包括的な定義がされなかったため、虫食いのある野菜が安全などと思われてきた。ほんとうに健康な野菜なら虫は避けるという。著者は有機農業を「耕地生態系の自律的機能を阻害あるいは撹乱するよ…
-
「金融世界大戦」田中宇著
第3次世界大戦は既に始まっている。それは兵器による戦争ではなく、〈金融世界大戦〉である。 世界経済におけるアメリカの覇権は崩壊しつつある。20年にわたってFRB(連邦準備制度理事会)の議長を…
-
「毒父家族」井上秀人著
心理カウンセラーである著者は、強圧的な父親のもとで育ったため、大人になっても満たされない感情を抱えて生きる〈アダルトチルドレン〉になった。人にNOと言えない、自分のやりたいことができないなどの問題を…
-
「自由にものが言える時代、言えない時代」爆笑問題・町山智浩著
町山はマイケル追悼番組で「マイケル・ジャクソンが白くなるたびに清原は黒くなりますよね」と言って顰蹙を買った。NHKの番組で政治家ネタをボツにされたことを暴露して物議をかもした太田は「あれは俺たちの方…
-
「東京都セレブ区福祉部」山谷哲夫著
渋谷区は特別区民税が約411億円にも上る裕福な区だが、生活保護など福祉のお世話になる住民も存在する。福祉部の職員は壊疽(えそ)で足が腐った老婆を抱えて病院を探したり、ドロドロになった行き倒れの死体の…
-
「消えた伝説のサル ベンツ」緑慎也著
2013年暮れ、大分の高崎山で、失踪したサル、ベンツの捜索が4回も行われた。異例なことだが、人間だったら100歳以上の高齢であるベンツは伝説のボスザルだったからだ。 彼は史上最年少の推定9歳…
-
「ラストワルツ」村上龍著
最近、読書量が減った理由のひとつに、面白い本が少ないことがある。現代はITの進歩と国際政治や経済の進歩が速すぎて出版がそれを消化できない。読者も原発の安全性などさまざまなことがよく分からず不安なため…
-
「なぜ、メルセデス・ベンツは選ばれるのか?」 上野金太郎著
2007年、〈メルセデスの展示会といえば一流ホテル〉というイメージを覆して地方のイオンモールで展示会が行われた。これまでとは違う顧客層を狙い、スーツ姿の男性スタッフでなく女性をメーンにするなどの取り…
-
「フューチャー・オブ・マインド心の未来を科学する」ミチオ・カク著、斉藤隆央訳
自然界最大の謎である人間の〈心〉の解明が進み、さまざまな可能性が広がっている。例えば、被験者を巨大なMRIに入れ、スキャナーすると、その人の頭の中のイメージを読み取ることができる。かつてはテレパシー…