「涙のあとは乾く」キャサリン・ジェーン・フィッシャー著、井上里訳
2002年、横須賀の米軍基地の近くで恋人を待っていたとき、著者は米兵にレイプされた。神奈川県警は捜査やレイプの証拠保全は後回しにして、ショックを受けている著者を犯行現場に連れていき、体に巻き付けた毛布をはぎ取ってレイプされた場所を指さすように命令して写真を撮った。東京地裁では勝訴したのに、犯人の米兵は除隊し、帰国した。著者はセカンドレイプを行ったと神奈川県警を訴えたが、最高裁で敗訴。後に著者は、日本政府が米兵の犯罪を看過するという密約があることを知る。
正義を求めて日本の警察と米軍を相手に闘ったオーストラリア女性の記録。
(講談社 1600円+税)