「誘神(いざないがみ)」川崎草志著

公開日: 更新日:

〈青い所〉で斉原柊一は老婦人に「あなたは、お亡くなりになっています」と告げた。老婦人の姿は消えた。柊一は岩尾野町でツゲサンと呼ばれる家に生まれた。生者の世界と死後の世界の境でさまよう者に死を宣告する仕事をしていた父が死んだ後、その役目を引き継いだのだ。そのころ、京都に住んでいた藤原沙織の一家は、東南アジアで新型インフルエンザのため多くの死者が出ているとのニュースを聞いて、亡き母の実家のある岩尾野町に避難してきた。ところが、新型インフルエンザ患者が出たという疑いが出て、岩尾野町は軍に封鎖される。

 土俗的な死の儀式が残る町に感染症がパニックを巻き起こすサスペンス。

(KADOKAWA 1700円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…