今日の新刊
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「亡国記」北野慶著
2017年、深田翠は島岡原発即時停止を求める10万人分の署名簿をもって中部電力の本店を訪れた。政府が次々と原発を再稼働させていたのだ。だが、特別公安刑事に阻まれて目的を果たせず、島岡原発近くのホテル…
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「スーパーノート」カスパー捜査官、ルイージ・カルレッティ著 飯田亮介訳
アリタリア航空のパイロット、カスパーは実はイタリアの憲兵隊ROSの覆面捜査官だった。国際麻薬組織を捜査していたが、そのなかでたびたび〈スーパーノート〉に遭遇した。スーパーノートとは精巧な米ドルの偽札…
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「私たちの平和憲法と解釈改憲のからくり」小西洋之著
安倍政権が強行する「安保法案」のデタラメを暴いた反論本。安倍政権を舌鋒鋭く追及してきた民主党・小西洋之参院議員が、昨年7月1日の閣議決定による「解釈改憲」の“からくり”を浮き彫りにした。 冒…
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「文学者掃苔録図書館」大塚英良著
「掃苔」とは墓参りのこと。著者が250人の作家、詩人の墓をめぐり、彼らの作品に込めた渾身の思いを受け止めた20年の記録。 「蟹工船」の作者、小林多喜二は特高の拷問で殺された。老母は全身腫れあがっ…
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「ドイツ映画零年」渋谷哲也著
「民族の祭典」「美の祭典」(オリンピア)を作った映画監督、レニ・リーフェンシュタールは連合国の審理でナチ体制の〈同伴者〉と位置付けられて戦犯とは認められなかった。だが、彼女の映画はナチスのプロパガンダ…
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「曽呂利!」谷津矢車著
堺の町中に秀吉を揶揄する落首が広まった。蜂須賀小六が捕まえた犯人は鞘師の曽呂利新左衛門。この男の作った鞘は刀を引き抜いても鞘走りの音がしないという評判だった。秀吉は新左衛門を打ち首にしようとしたが、…
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「放課後の厨房男子」秋川滝美著
「豚汁試食中でーす!」 スポーツの強豪校、末那高校で、料理部ならぬ包丁部の勝山大地は新入部員を勧誘するために声を張り上げた。 だが、食い逃げして立ち去るやつばかり。「すごく美味しいです! これ…
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「芸人貧乏物語」松野大介著
サンドウィッチマン伊達みきおは、2キロ200円の業務用モヤシを買い、毎日モヤシ炒めで飢えをしのいだ。バイきんぐは16年間の下積み時代に24種類のバイトを経験。ナイツの塙は共同風呂が嫌で、一人暮らしの…
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「潮の音、空の青、海の詩」熊谷達也著
仙台で予備校の講師をしていた川島聡太は、実家のある仙河海市が津波に襲われたことを知った。両親は行方不明で死体も見つからなかった。 2060年、仙河海市は巨大な防潮堤で海と隔てられていた。防潮…
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「脱・メタボ 14日間の旅!」桐山秀樹著
おやじダイエット部部長である著者の元に手紙が来た。朝、娘を抱きあげたら「パパ、とんこつラーメン臭い」と言われた元週刊誌記者が、健康の極意を伝授してほしいというのだ。そこで彼を伴って健康長寿王国を目指…
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「ヒーローたちの戦いは報われたか」鈴木美潮著
日本のテレビの特撮ヒーロー番組は「月光仮面」に始まる。当時のテレビ映画はすべてアメリカの輸入作品で、支払いもドル。そこで、外貨流出を食い止めるために低予算の国産ドラマが作られることになった。正義の味…
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「墨東地霊散歩」加門七海著
「東海道四谷怪談」の舞台は、於岩稲荷田宮神社のある新宿区の四谷あたりだと思われている。演劇関係者が四谷怪談を上演する前にお参りに行くのもここだ。だが、お岩の死体が打ちつけられた戸板が流れ着くのは江東区…
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「戦争しない国が好き!」おのだめりこ編著
昭和15年、召集令状を受け取った立太郎は、思いをよせていた女性のいる喫茶店に足を向けた。彼の丸刈りを見て事情を察した女性は、何も言わず彼の好きな「ボレロ」のレコードをかけてくれた。中国戦線に送られた…
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「バトル式 歴史偉人伝」ペリー荻野著
大河ドラマ「龍馬伝」で香川照之が演じて話題になった岩崎弥太郎は地下浪人という、士分でもいちばん低い身分の家に生まれ、後に海運事業で成功して三菱の創始者となる。弥太郎のライバルだったのが共同運輸などを…
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「『男の色気』のつくり方」潮凪洋介著
世の中には〈色気のある男〉と〈色気のない男〉の2種類がいる。とある出会いの場所で、雑誌から抜け出たような20代の女が、会ったばかりの45歳の〈色気男〉にしなだれかかる。見た目でもなく、話術でもなく、…
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「太陽は気を失う」乙川優三郎著
〈私〉はひとり暮らしの母の見舞いと、幼馴染みの起則くんの墓参りのために実家に帰った。途中で会った92歳の老婆をスーパーまで送り届け、墓参りをすませた後、土手で昔の思い出などにひたっていた。すると、「い…
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「ジェネレーションフリーの社会」北岡孝義著
戦後間もなくの日本人の平均寿命は50~60歳だったから、年金給付期間はせいぜい10年だったが、寿命が延びた今は15~20年にもなる。財政破綻を避けるためには、退職後も国民全員が働く、世代構成の変化に…
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「昭和を語る」鶴見俊輔著
1946年、衆議院憲法改正特別委員会によって第9条に「前項の目的を達するため」という修正条項が挿入されたとき、これが後に自衛戦争、もしくは自衛戦力を認める根拠として利用できることにほとんどの人が気づ…
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「星球」中澤日菜子著
32歳の麻衣は、結婚寸前だった年下の恋人に逃げられてしまった。両親が高齢の上にボケ始めた祖父まで同居していることにビビったらしい。その祖父が行方不明になった。夕方ようやく見つかったが、祖父は麻衣を亡…
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「憲法改正の覚悟はあるか」小林節著
安倍政権は改憲をしないまま海外派兵ができるようにしようとしている。 これまでは特別措置法という時限立法で、インド洋で海上封鎖している米軍に給油など事実上の〈戦争支援〉を行ってきたが、今回は海…