「西村和雄の有機農業原論」西村和雄著
有機農業はこれまで包括的な定義がされなかったため、虫食いのある野菜が安全などと思われてきた。ほんとうに健康な野菜なら虫は避けるという。著者は有機農業を「耕地生態系の自律的機能を阻害あるいは撹乱するような、合成化学物質である農薬類や化学肥料は、一切使用しない」と定義し、日本は土壌の中に肥沃になるための根源があるので、低投与型と低栄養成長型の農業にもっていくべきだと説く。日本の食料自給率の低さが大きな問題になっているが、有機栽培で耕作すれば、自給率100%は可能だという。
有機農業のアドバイザーを務める著者がまとめた実践的農業論。
(七つ森書館 1800円+税)