「拾った女」チャールズ・ウィルフォード著 浜野アキオ訳
酒に溺れる日々を送っていたハリーが店員として働くカフェに、閉店間際、酔った美女が入ってくる。コーヒーを飲み終えた女は、ハンドバッグをなくし、文無しだと言い出す。仕事を終えたハリーは、ヘレンと名乗る女と一緒にバッグを捜すが見つからない。仕方なくホテル代を支払ってやり、別れる。ヘレンのことは忘れるつもりだったが、翌日、再び彼女が来店。ハリーは店主に店を辞めると告げて彼女と街に繰り出す。ハリーの部屋で絵の道具を見つけたヘレンは自画像を描いてくれという。酒も断って絵を完成させたハリーだが、ヘレンの所持金も尽き、行き詰まった2人は心中を決意するが……。
犯罪小説の巨匠が1950年代に発表した長編ノワールの初邦訳。(扶桑社 950円+税)