「日本地図のたのしみ」今尾恵介著
地図の楽しみ方を教えてくれる地図鑑賞ガイド。
地図は「現地のありのまま」と思われがちだが、実は企画者が「何らかの意図」を表現した著作物。客観的と思われている国発行の地形図も、日本では当たり前のように書き込まれる公共施設も、海外の地図では当たり前でなかったり、日本の地形図にはない「廃止された鉄道」が英国製には示されていたりする。
明治から現代まで4枚の地図でたどる渋谷の変遷や、山口県の北西端、長門市にある「ムカツク(向津具)」など地図で面白い地名を見つける楽しみ、そして福島・山形・新潟3県にまたがる飯豊山周辺で県境が二重に表記されている謎などを解き明かす「領土と境界線」まで。楽しみ方無限大の地図の魅力を紹介。(筑摩書房 780円+税)