「真田十勇士(三)」柴田錬三郎著
時代エンターテインメントの巨匠が、1970年代に発表した時代伝奇ロマンシリーズ完結編。
高野山のふもと、九度山の真田館は、表向きは平穏な日々が続いているように見えた。だが、幸村は家康との決戦の日に備え、密かに軍用金の調達に明け暮れる。幸村の指示を受け、猿飛佐助らは夢影が発見した諏訪湖の底に眠る武田家由来の黄金の城の運び出しに。そして穴山小助らは、宇喜多秀家が太閤から預かった軍用金の行方を捜すために小豆島へと向かう。
しかし、黄金の城はすでに運び去られた後だった。噂を聞き、甲斐恵林寺の快川和尚を訪ねると、和尚が折った折り鶴が佐助らを道案内。そんな佐助らの前に無窓只四郎が立ちはだかる……。
(集英社 720円+税)