「銃とチョコレート」乙一著
父亡き後、11歳のリンツと母の暮らしは苦しくなる一方だった。そんなある夜、リンツが生前の父に市場で買ってもらった聖書の革表紙が破れ、1枚の紙が出てくる。紙には地図と、その中に円で囲んだ男性の横顔が描かれていた。そして、裏には風車小屋の絵も。リンツは、記号のような円の中の男の顔が、怪盗ゴディバが盗んだ貴重な「英雄の金貨」の図柄だと思い出す。怪盗ゴディバは、これまで各地で国宝級の財宝を盗み、世間を騒がせていた。地図は、ゴディバが描いたものだと確信したリンツは、彼を追う名探偵のロイズに手紙を書く。数日後、リンツの前に浮浪者に変装したロイズが現れる。
少年と名探偵の冒険の旅を描く長編ミステリー。
(講談社 590円+税)