文庫あらかると
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「駆け込み寺の男-玄秀盛-」佐々涼子著
DVや借金、ストーカーなどに悩み、行き場を失った人々に無償で手を差し伸べる新宿・歌舞伎町の「日本駆け込み寺」。団体を立ち上げ、14年間で3万人以上を救ってきた玄秀盛代表の人生と、その活動を追ったルポ…
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「潮鳴り」葉室麟著
九州豊後・羽根藩士だった櫂蔵は、秀才との誉れも高かったが、3年前、大坂商人との宴席での振る舞いが問題視され、家督を腹違いの弟・新五郎に譲って隠居。以来、漁師小屋に寝起きし、酒とばくちに溺れた生活を送…
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「神かくし ゆめ姫事件帖」和田はつ子著
将軍家息女のゆめ姫は、身分を隠して側用人・池本方忠の屋敷の居候として暮らしている。方忠以外、誰もゆめが将軍家の娘とは知らない。毎夜、ゆめは不可解な夢に苦しめられる。生母お菊の方や花嫁姿の自分、そして…
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「『長生き』に負けない生き方」外山滋比古著
「かつては無条件、手放しで歓迎された長寿」が喜ばれなくなったのは、寝たきりや介護してくれる家族への気兼ねなど、面白くない長生きが増えたから。そんな「悪玉」長生きに負けず、人生の後半生を生きるための心構…
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「廃道探索 山さ行がねが」平沼義之著
全国各地の廃道を歩く紀行リポート。 まずは富山県と岐阜県の県境、両白山地の奥深くにかつてあった加須良集落と国道(現在は旧国道)を結ぶ林道。加須良は、隣村へ行くにも峠道を3里も歩かなければなら…
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「千年鈴虫」谷村志穂著
ジュエリーショップで働く千佳は、松本に住む母からカルチャーセンターの源氏物語の講座に誘われる。気乗りがしないが、父を亡くしてから元気のなかった母が、隔週で東京に出てくる意欲を持ったことを喜び、付き合…
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「どうして人はキスをしたくなるんだろう?」みうらじゅん、宮藤官九郎著
異才2人が書名になっているような、考えても始まらない疑問について語り尽くす対談集。「どうして人はキスを~」をテーマにした章では、お互いにファーストキスがそのまま苦い初体験の思い出になってしまっている…
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「寂しい丘で狩りをする」辻原登著
東京が大雪に見舞われた夜、映画の編集に携わる26歳の敦子は、殺人の前科のある押本にレイプされる。その後、敦子を脅迫してきた押本は警察に逮捕され、懲役7年の刑が下され刑務所に収監された。 事件…
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「関西人の正体」井上章一著
ベストセラー「京都ぎらい」の著者による関西文化論。関西に誇りを持っている氏は、テレビに出演するときも関西弁を貫く。しかし、地元の人間でさえ、値打ちが下がるから関西弁をやめたほうがいいと助言してくると…
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「庶務行員 多加賀主水が許さない」江上剛著
2年前、第七銀行と明和銀行が合併し第七明和銀行が誕生。しかし、金融庁の主導で行われた合併は遺恨をもたらし、熾烈な派閥争いが続いていた。会長の権藤と専務の綾小路は、明和出身の勢力を一掃するための陰謀を…
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「犬、そして猫が生きる力をくれた」大塚敦子著
米国の女子刑務所で30年以上前に始まった介助犬育成プログラム「プリズン・ペット・パートナーシップ」の活動を紹介するリポート。 同プログラムは、飼い主が飼えなくなった保護犬を訓練して、介助犬や…
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「大東京23区散歩」泉麻人著
23区をくまなく歩き、そのさまざまな表情を紹介しながら、日々変わりゆく東京の「今」を記録する散歩エッセー。 まずは23区中「最も偉そうなイメージ」の千代田区から。開業100年にちなんでオリジ…
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「特捜部Q-知りすぎたマルコ-」(上・下)ユッシ・エーズラ・オールスン著、吉田薫訳
08年秋、カメルーンで行方不明になった現地スタッフを心配したデンマーク外務省参事官のスタークは、上司に命じられ現地に向かう。しかし、当地での開発援助に不正があることに気づき、予定を切り上げて帰国。1…
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「猫」石田孫太郎著
明治43年に出版された猫百科。「家畜として愛養さるる動物の中に猫ほど残酷なる批評を受けているものはない」と憤慨した著者が、その汚名をそそぐべく猫の魅力を存分に語りつくした近代日本初の猫本。 …
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「『戦国大名』失敗の研究【群雄割拠篇】」瀧澤中著
領国「経営」では優れた手腕を発揮しながら、偉大な「指導者」となることができず天下を治めるに至らなかった戦国大名たち。彼らの軌跡から、指導者の条件とは何かを考える歴史読み物。 まずは軍事指導者…
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「ヒポクラテスの誓い」中山七里著
浦和医大の研修医・真琴は、法医学教室に配属される。教授の光崎に受け入れを拒否された真琴だが、准教授のキャシーのとりなしで、何とか試用期間を与えられる。真琴は知らなかったが、キャシーによると光崎は法医…
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「下町呑んだくれグルメ道」畠山健二著
下町生まれの著者によるB級グルメエッセー。 充実した朝食にありつきたいときは大衆食堂に行くという氏。昼や夜に外食をするのはケチくさい人間のやることで、多くの人が満員電車に揺られている時間に外…
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「壺中の回廊」松井今朝子著
昭和5年、大学講師の桜木治郎は、歌舞伎を上演する木挽座を経営する興行会社に「掌中の珠を砕く」との脅迫状が届いたと耳にする。治郎の祖父は、江戸歌舞伎の大作者と呼ばれた治助、父は裏方として劇界に君臨した…
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「靖国と千鳥ケ淵」伊藤智永著
陸軍省高級副官・美山要蔵の評伝。美山は近年、A級戦犯合祀の黒幕と叩かれた人物。その理由は、東条英機元首相から戦後の靖国のあり方について密命を授けられたことと、靖国神社を所管する陸軍省の高級副官の職責…
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「紙の建築 行動する」坂茂著
著者は世界でも類を見ない「紙の建築」を実用化した建築家。紙の建築とは紙管を構造物として使う建築で、氏は恒久建築物や震災後の仮設建築物として世界各地で避難民を支援してきた。そんな氏が紙の建築に対する思…