「娘の結婚」小路幸也著
52歳の國枝は、男手ひとつで育てた娘の実希から会ってほしい人がいると告げられ動揺する。恋人がいることは気づいていたが、その相手が、娘が9歳まで暮らしたマンションの隣室に住んでいた幼馴染みの真だと知り、さらに驚く。同時に、妻の佳実を事故で失い、実家に引っ越す際に耳にした真の母親の景子に対する悪評が気になる。佳実は生前、景子との関係に悩んでいたらしい。娘の幸せを願う國枝は、景子の人物を見極めるまで真に会う決心がつかない。そんな中、國枝は元恋人の綾乃と再会。それぞれの近況について話すうちに、景子が、綾乃が師範を務める茶道教室の生徒だと分かる。
娘の幸せを願う男親の心境を描いた家族小説。(祥伝社 580円+税)