「貯金兄弟」竹内謙礼、青木寿幸著
母亡き後、義父に虐待されていた宗一郎と翔太の兄弟だが、自宅の火事で虐待が発覚。やけどを負った義父は親権を奪われ、2人は施設で育つ。苦学して大学を出た宗一郎は、大手広告代理店への就職を勝ち取る。宗一郎は弟の進学資金を出すつもりだったが、翔太は高卒で消防士になると言い出す。宗一郎は反対するが、翔太から、消防士の道を選んだ場合、高卒で働き始めた方が大卒よりも生涯賃金が3000万円も多くなると試算を突きつけられ反論できない。一方で宗一郎は火事の恐怖を体験したはずの翔太が、公務員の中から消防士という仕事を選んだことに疑問を感じる。
金遣いの荒い兄と倹約家の弟を主人公に描くマネー戦略文庫書き下ろしノベル。(PHP研究所 720円+税)