プロ野球スカウトの“逆襲”
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プロで一流になると太鼓判を押せる3年生は、センバツには一人もいなかった
春のセンバツはマイッタよ。 これは……って選手がいない。まったくいないわけじゃないんだけれども、センバツを見た限りではプロでも一流になると太鼓判を押せる選手は残念ながら3年生にいなかった。 …
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花巻東・佐々木麟太郎に大物の予感 「ここぞの場面」で結果を出せることが大きい
春のセンバツでスターが誕生する気がする。 花巻東(岩手)の2年生スラッガー・佐々木麟太郎のことだ。 まだ下級生なのに、部長はもちろん、いつも苦虫を噛み潰したような表情のエライさんまで…
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担当したライバルが蹴落とされないかヒヤヒヤ…そして気になる自分の評価
キャンプ地に来て真っ先に見たのは、自分が担当した若手外野手さ。 数年前からレギュラーに。俊足だし、バッティングもいい。フリー打撃では右に左に鋭い打球を飛ばしてた。 スカウトは自分が推…
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プロ野球ルーキーの担当スカウトはやることてんこ盛り
「年の初めだってのにシケた面しやがって」 先日、新人の合同自主トレに顔を出したときの話さ。部長に会うなりこう言われたけど、「そりゃ、そうですよ」って、思わず言い返したよ。 ルーキーが始…
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都市対抗野球に足を運ぶ本当の狙い ドラフト候補の品定めだけじゃない
まったく、どこのどいつだよ。オレが第1試合を見ただけで、さっさとトンズラしたことを部長にご注進したのは。 先月末から東京ドームで行われた社会人の都市対抗野球。その日はプロ注目の選手が第1試合…
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球団にダメ出しされた選手がよそに上位指名されて留飲が下がった
数年前の話だ。担当地区の高校生右腕の素質にホレ込み、スカウト会議で推薦。是が非でも上位指名すべきと口角泡を飛ばしながら力説したものの、部長やエライさんの反応はいまひとつ。エライさんなんて「能力の数値…
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レギュラーに定着したと思ったら、担当の若手とポジションの重なる即戦力を上位指名されてキレた
「いくらなんでもアレはないでしょう! まったく、冗談じゃありませんよ!」 ドラフト会議が終わった瞬間、思わず部長にかみついた。「アレ」とはウチの上位指名のことだ。 今年のドラフトにはオ…
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10.11ドラフト会議直前の攻防 指名順位に固執する高校生は要注意
いつも薄汚いジャンパー羽織ってるのに、何だってジャケットなんて着てるのかって? きょうは東京六大学で神宮球場に行ってきたからさ。一部の学校の古参OBたちは、とにかく口うるさくてね。オレたちス…
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せっかく見つけた金の卵! 夏の甲子園に出た選手を“訳あり”で猛プッシュした
いや、もう、絶好調も絶好調さ。おまえのことだから、どうせ、ゴルフのことだろうって? とんでもない。オレじゃなくて、オレが担当した選手がようやくモノになりそうなんだ。オレの球団内での評価は間違いなくう…
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有力投手が地区予選で続々敗退 それでも甲子園に転がっている逸材を見逃すな!
今年は高校生投手が豊作。夏の甲子園で掛け値なしの評価をしようと思っていたら、その多くが地区予選で負けた。高知の森木大智、市和歌山の小園健太、天理の達孝太らがそうだ。 森木や小園はドラフト1位…
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社会人は不作どころか凶作…日本選手権の隠れた逸材を探せ
オレはいま、神戸で社会人野球の日本選手権を見ている。 今年の社会人は不作を通り越して凶作。広島の栗林(トヨタ自動車)や阪神の伊藤(JR東日本)がいた昨年と比べてもチェックすべき選手は少ないな…
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地方の大学生選手を見るときは先入観やウワサ話は排除しろ
オレにとって、苦い思い出しかない。週明けの7日から、神宮と東京ドームで行われる大学選手権のことさ。 10年以上前だから時効といえば時効だとも思うんだけど、地方の大学の右腕が神宮でとんでもない…
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さぁ、困った! 即戦力のドラフト1位候補を評価できない
「今年のドラフトはどの球団も大変だぞ」 ウチの部長が珍しく厳しい表情をしている。 ドラフト1位候補のいる東京六大学、首都大学が春のリーグ戦を行っているにもかかわらず、コロナ禍でスカウト…
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今年のセンバツに夏まで追い掛けたい野手はいなかった
センバツはホント、まいったよ。 朝はホテルのモーニングで、昼と夜はコンビニ弁当。キャンプと違って外食を禁じられてるわけじゃなかったから、若いのを誘ってちょっと一杯なんて思ったら、「スミマセン…
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いいと判断した選手は進退をかけてプッシュしなけりゃ
いや、もう、穴があったら入りたい心境さ。というか、穴に入っても今回のポカは帳消しにならないだろう。巨人の高校生ルーキー・秋広優人に関することさ。 昨年のドラフト直前のこと。後輩の担当が秋広を…
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コーチに頼んで高卒3年目野手の尻を叩いてもらった
高校時代からパワーはバツグン。1年目からファームで本塁打を量産したものの、なにしろ確実性に欠ける。二軍での打率が2割そこそこというんじゃ、一軍の戦力になるはずがない。オレが担当した高卒3年目の野手の…
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「首脳陣の声に一喜一憂するな 自分の目に自信を持て」
「あの高校生野手、ちょっと体が小さいんじゃないか? やたら貧弱に見えるけど……」 新人選手が合同自主トレをやっている最中のこと。彼らの動きを遠巻きに見ていた首脳陣のひとりが、隣のコーチにこう水…
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例年ならオフのいまも…今年はまだ大学生の練習試合を視察
「あんたさ、新人の契約金って、本当はスゴい金額だったりするんじゃないの? 一時は3億とか5億って札束が飛び交ったっていうじゃない」 先日のこと。行きつけの焼き鳥屋のオヤジがこう言うもんだから、…
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ドラフト“何位縛り” 裏で糸を引く社会人チームの手練手管
つくづくツキがないと思ったよ。 例年なら指名あいさつやら、契約に向けた下交渉で大忙し。最近は少なくなったけど、「この指名順位なら最低でも契約金5000万円はもらわないと」なんて吹っ掛けてくる…
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ドラフト候補の“アタマの中身”の探り方 監督にはこう聞く
ドラフト会議が10日後に迫って、オレもかなり忙しい。 球団が作成したリストには膨大な量の選手が掲載されているから、それをふるいにかけなきゃならない。自分が推薦した選手の最終チェックをするため…