ドラフト“何位縛り” 裏で糸を引く社会人チームの手練手管
つくづくツキがないと思ったよ。
例年なら指名あいさつやら、契約に向けた下交渉で大忙し。最近は少なくなったけど、「この指名順位なら最低でも契約金5000万円はもらわないと」なんて吹っ掛けてくるベテラン監督も中にはいるからね。関東地区大学野球選手権や都市対抗なんかをカバーしながら、ときにはややこしい交渉をやらなきゃならない。
それでも忙しいのはうれしい悲鳴だけど、今年は自分が担当する選手をすべて他球団にもっていかれた。で、たまたま空いた時間にゴルフの打ちっ放しに出掛けようと思ったら、手元のスマホが鳴った。部長からだ。「若いのが指名あいさつに行くんで面倒みてくれ」ってね。
しかも、相手は2位縛りの大学生。つまり3位以下の指名ならプロ入りせずに社会人に行くという選手を、ウチが下位で指名したから面倒なことになるのは確実だ。それを経験不足の若手じゃ不安だからフォローしろってことさ。
■突破口は「本人」
最近、増えているのはこの何位縛りってケースだ。裏で糸を引いているというか、背後に社会人チームがいることが多い。