コーチに頼んで高卒3年目野手の尻を叩いてもらった
高校時代からパワーはバツグン。1年目からファームで本塁打を量産したものの、なにしろ確実性に欠ける。二軍での打率が2割そこそこというんじゃ、一軍の戦力になるはずがない。オレが担当した高卒3年目の野手の話さ。
高卒でも3年目になれば、ある程度、結果が求められる。けれども、本人は、得てして自分の置かれた状況が分かっていない。高卒だから4、5年はみてもらえると勝手に思い込んでいる。だもんで2年目の昨シーズン中、たまたま会う機会があったから選手には言ったんだ。「おまえさぁ、結果が出てるならともかく、そうじゃないんだったらコーチの意見を聞いてみるとか、信頼できるコーチの言う通りにやってみるとかした方がいい。プロの世界はおまえが考えているほど甘くはないんだぞ!」ってね。
そして迎えた今年のキャンプ。選手のバッティングを見たけど、これまでと変わってない。それでファームの打撃コーチに頼んだんだ。おまえの口から、もう後がない、ボチボチ、結果が必要だと言ってくれって。
選手を蝶よ花よともてはやすのはプロ2年目まで。3年目に入ったら結果が求められるのに、当の本人にはその自覚がないケースが多い。ならば選手の尻を叩くのがオレたち担当スカウトの仕事だし、言っても分からないようなら、首脳陣にガツンとやってもらう以外にない。