紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実
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<101>家宅捜索令状で知った「覚醒剤」の使用…精力剤も使わないのに?
5月24日の夜、早貴被告と家政婦の大下さんは1階のリビングでテレビを見ていた。 「番組が終わったので2階に上がり、ソファに裸で座っている社長を見て『大変、大変』って慌てて下りて、大下さんと一緒…
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<100>前日のことなのに…早貴被告は大相撲のテレビ放送のことが答えられなかった
では、事件当日の早貴被告の証言はどうなのか。 「ボクがドン・ファンと電話で会話をしていた午後4時ごろに、キミはどこにいた?」 「2階のソファで社長の隣に座っていました」 「では、ボ…
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<99>「警察は黒幕がマコやんとヨッシーという見方もしているみたいよ」
野崎幸助さんが亡くなった2018年5月24日の行動について、家政婦の大下さんの証言は防犯カメラなどによってウラが取れているので間違いはないだろう。この日の午後4時すぎに彼女は田辺市内の妹の家へ車で出…
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<98>頭髪を100本抜き覚醒剤検査 “絶口調”で不満をぶちまけた家政婦
13時間に及ぶ取り調べを受けて夜の10時に帰ってきた家政婦の大下さんは、“絶口調”で捜査への不満をぶちまけた。 「あのね、髪を5カ所に分けて、全部で100本ほど取られたのよ。覚醒剤の使用につい…
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<97>葬儀の翌日に行われた早貴被告の事情聴取は13時間にも及んだ
早貴被告と家政婦の大下さんは、田辺署に何度も呼ばれていた。葬儀の翌日の5月31日も、2人は朝9時から警察署に一緒に出掛けた。その日の昼間は全く帰ってくる気配がなく、帰宅したのは夜10時。なんと13時…
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<96>精いっぱいの演技か? 早貴被告はハンカチ片手に涙ぐんだ
2018年5月30日、大雨の中で午前11時に始まった野崎幸助さんの葬儀は、出棺の時を迎えようとしていた。 「最後のお別れですから故人に縁があるものを入れてください」 斎場の係員が棺桶に…
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<95>野崎幸助さん周辺の複雑な人間関係 目先の金を考えてバラバラになり始めた
「ほうか。そんなことを言い腐ったのか、あの野郎が」 斎場に泊まるための手回り品が必要になった早貴被告と家政婦の大下さんを野崎幸助さんの家まで送り、再び一緒に戻ってきた番頭格のマコやんを誘って居…
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<94>通夜の晩「ブンヤ風情が偉そうに」と絡んできた赤ら顔のM
通夜の晩の早貴被告は恒例として夫の野崎幸助さんの遺体に“添い寝”をすることになって、家政婦の大下さんも付き合うことになっていた。野崎さんに拾われて働いていたことがある、ひげのMと元従業員のSも、もと…
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<93>通夜の後、喪主の早貴被告は寿司桶をきれいに平らげた
「皆さん、お疲れさまでした。故人を偲び歓談をしたいと思います」 5月29日の通夜の後、斎場の3階広間の長いテーブルには、寿司やつまみのセットが並んだ。テーブルの両側には野崎幸助さんの遺族の兄夫…
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<92>大下さんは喪主の挨拶をする早貴被告の脇に立った
私自身はこの怪事件を皆に知ってもらいたい気持ちが強かったので、どうしてもマスコミの力が必要だった。おかしな事件であると報じて欲しかったが、土壇場で金庫番の佐山さんが「マスコミ禁止」にしたので、偶然に…
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<91>野崎幸助さんの通夜はマスコミをシャットアウトして行われた
通夜のため葬儀屋さんが野崎幸助さんの遺体を運び出す予定の午後4時になっても、警察の家宅捜索は終わらなかった。私は野崎さん宅の玄関脇にあるクローゼットに喪服を置いてあったので、何度も捜査員に取り出した…
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<90>野崎幸助さん宅の家宅捜索は午後になっても終わらなかった
野崎幸助さんの自宅の家宅捜索の様子を見ていてもしょうがないので、私はテレビディレクターのスーさんを誘って、野崎さんの会社「アプリコ」に向かった。現場から歩いて1、2分で、鉄筋コンクリート4階建てのビ…
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<89>家政婦を疑った捜査陣 M警部補の目は笑っていなかった
通夜が行われる29日の朝、私とテレビディレクターのスーさんは、野崎幸助さんの自宅に向かった。 自宅は再び家宅捜索中で、喪服を取りに来た私と、門番役の警官が押し問答をしていると、背後から別の2…
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<88>2度目の家宅捜索で精悍な顔つきの刑事2人に捜査協力を打診され…
「お久しぶりです。なんとか来ることができました。よろしくお願いします」 ホテルに戻ると、テレビディレクターのスーさんがフロントで笑顔を見せた。 「お疲れさまですね。ちょっと喫茶店で打ち合…
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<87>早貴被告はドン・ファンの簡単な祭壇に一度も手を合わせなかった
夕方近くまで野崎幸助さんの遺体の脇で一人で過ごしていると番頭格のマコやんがやってきた。 「なんや一人かいの? さっちゃんたちは?」 携帯電話を取りにいったことを話した。この頃から家の前…
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<86>ドン・ファンには虚言癖が…「後妻の子供でいじめられた」とウソも
「携帯電話を返してくれるというから、早貴ちゃんと一緒に警察に行ってくるね」 野崎幸助さんの遺体が自宅に帰ってきてから1時間ほどすると、家政婦の大下さんが言った。 「うん? 遺体には誰かが…
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<85>早貴被告は「警察が疑っているから早くお金を手にしたい」と言った
野崎幸助さんが亡くなった2日後の5月26日、夕方遅くになって田辺署から「遺体を渡せます」と連絡が来た。そこで遺体を運ぶ車がある葬儀屋さんに連絡を取ると「明日の朝に行けます」との返事が来たので、27日…
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<84>寝込みを襲った真夜中の家宅捜索…腕にはくっきりと指の跡が残った
「早貴ちゃんは逮捕されるのかなあ」 野崎幸助さんが亡くなった翌日の夜、早貴被告が警察に連れていかれた後で家政婦の大下さんがポツリとつぶいた。私はドン・ファン宅に前から置いてあった自分用の麦焼酎…
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<83>早貴被告に任意同行を求め刑事がきたが本人はスーパー銭湯に
野崎幸助さんが亡くなった翌日、25日の午後8時半ごろに男女6人の若い刑事たちが、早貴被告から事情を聴きたいと野崎さんの自宅にやってきた。そのとき自宅にいたのは私だけで、早貴被告と大下さんはスーパー銭…
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<82>早貴被告は家政婦への3000万円の支払いを拒否した
家政婦の大下さんは内心、早貴被告のことを嫌っていた。それは同じ屋根の下で暮らす本人もうすうす感づいていたと思う。 早貴被告が大下さんの娘さんと会った時に「お金持ちを紹介しようか」と言ったと、…