紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実
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<61>午後7時に押し入った強盗 誰かが手引きをしている可能性が
野崎幸助さんの自宅を訪ねてきた男女2人組を前に、私は「もしかすると泥棒の下見なのか?」とさえ感じていた。実際、この1年以上前の2017年2月には、目出し帽をかぶった強盗がリビングのガラスを破って侵入…
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<60>「本を読んで会いに来ました」ドン・ファン宅に怪しい男女2人組
「吉田さん、家におかしな2人組が来ているので、急いで来ていただけませんか?」 ホテルの部屋にいた私に、早貴被告が慌てた声で電話をかけてきたのは昼すぎのことだった。 なんでも野崎幸助さん…
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<59>新しい家政婦が決まって迎えに行くと…ドラえもんにそっくり!
イブを偲ぶ会を開くことになった「かんぽの宿」は、私も宿泊したことがある静かな宿だった。 「明日あいているそうです。午後6時からの予約を入れました」 番頭格のマコやんが言った。 「…
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<58>裏庭に土葬することになった愛犬イブ 早貴被告はゲームに夢中だった
家政婦の大下さんが自室の荷物をまとめていなくなった。掃除、洗濯、炊事、買い物などを任せられるお手伝いさんを新たに探さなければならないから、困るのは野崎幸助さんである。 かつては田辺市内の家政…
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<57>何度も復縁を申し込んだ前妻との間をつないだ愛犬イブ
野崎幸助さんと愛犬のイブは16年間も一緒に暮らしてきた。その死と向き合えば、家族の一員を失った時のようなつらさを感じることになるのだろう。 イブは前妻のCさんがドン・ファンにおねだりして購入…
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<56>イブとの別れ…神式の葬儀に続き、お寺の坊さんがお経を読む不思議な光景
野崎幸助さんがなじみにしている闘鶏神社の宮司さんが神式の葬儀を行った後で、今度はお寺の坊さんがお経を読んだ。「記録を残しておいてくれ」と常日頃から口酸っぱくドン・ファンから言われていたので、私はカメ…
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<55>苦しんで暴れて死んだ愛犬イブに動物病院は「老衰」と診断
ゴールデンウイーク前に来たばかりの田辺に10日ぶりに戻ってきた。 「あ~ら、お久しぶり。お元気そうね」 玄関で出迎えてくれたのは、家政婦の大下さんだった。彼女は月に2度程度やって来て1…
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<54>定宿にしていた大阪のホテルが経営難で変貌…ネットも有料に
新大阪駅から田辺に向かう途中で野崎幸助さんと私は、ベンツで迎えにきたアプリコの番頭格のマコやんとリーガロイヤルホテル大阪に向かった。 リーガは20年以上前に経営状態が悪化し、いろいろなところ…
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<53>最敬礼でお出迎えしたドアマンに5000円札でチップを
名古屋、京都と「ミス・ワールド」との電話は続き、やっと新大阪の駅に着いた。 「お待ちしていましたよ」 新大阪駅3階の到着口でアプリコの番頭格・マコやんが出迎えてくれた。 「お疲れ…
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<52>聖路加病院の名物院長からドン・ファンに届いていたお礼状
「次はいつ東京ですか?」 「今度はね、来月の1日に病院ですかね」 新大阪に向かう新幹線で、私は野崎幸助さんの隣に腰掛けておしゃべりをしていた。来月の1日とは6月1日。まさか殺害されて、そ…
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<51>ドン・ファンは新大阪に向かう新幹線からミス・ワールドに4、5分ごとに電話
待ち合わせに遅れて東京駅にやってきた野崎幸助さんは、スレンダーな長身美女を伴っていた。彼は私に「ミス・ワールドやで」と、誇らしげに紹介した。 「ああ、ウワサはお聞きしています。お疲れさまでした…
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<50>愛犬イブの葬儀のため東京駅で待ち合わせ…ドン・ファンは「ミス・ワールド」と現れた
野崎幸助さんと電話でしゃべっていると、鼻がツーンとして目頭が熱くなった。 野崎さんの愛犬イブは、私の言うことは全くきかないわがままなお嬢さま犬だったが、吠えることもなくおとなしいので、散歩に…
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<49>早貴被告のわがままに手を焼きドン・ファンは離婚届を突きつけた
ゴールデンウイーク前に「札幌に行く」と言って田辺を離れた早貴被告は、連休中の5月4日に田辺に戻ってきた。 「社長が烈火のごとく怒って電話をして、それで慌てて早貴が戻ってきたんや。離婚するとか、…
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<48>早貴被告はAV嬢時代の動画について、こっそり弁護士に相談していた
2018年4月27日に野崎幸助さんと早貴被告は別々の便で東京に向かった。その10日前、早貴被告は所用があると言って、1人で東京に日帰りをしている。 「肖像権がなんとか、という早貴ちゃん宛ての郵…
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<47>「腰かけ婚」の早貴被告はドン・ファンと同じ飛行機を嫌がった
野崎幸助さんにとって最後の誕生日となった2018年4月13日に、私は彼と六本木のホテルで会った。その次に会ったのはゴールデンウイーク前で、私は25日から27日まで、ドン・ファンの新婚生活を取材するた…
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<46>「労働時間が短くて済む」東欧の娼婦たちに人気だった日本人男性
共産圏であっても「世界一古い職業」の女性はいた。ポーランドでは警察が管理しているらしく、一流ホテルのバーに入れるのはコネを持っている女性のようだった。むろんハンガリーでも、その手の女性たちが獲物を獲…
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<45>ドン・ファンはポーランド女性に興味津々「共産圏でも娼婦がいたんですか?」
「今日の彼女はどんな方ですか?」 野崎幸助さんが新婚生活について語りたがらないのを感じた私は話題を変え、これから彼が紹介される女性について聞いた。 「うん。ポーランド人らしいで~」 …
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<44>ドン・ファンは「いつでも別れてやるから」と吐き捨てた
野崎幸助さんの喜寿77歳の誕生日となった2018年4月13日の昼、私は六本木のホテルに呼ばれた。行くと交際クラブの社長であるAさんと、元従業員で名目上のアプリコ役員のMがいた。 60代後半の…
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<43>早貴被告は「前の奥さんは2億円を取ったんでしょ?」と
2018年4月25日から27日まで田辺に滞在している時、私と野崎幸助さん、そして早貴被告の3人で近所にある割烹料理屋で食事をすることになった。私が運転する車にドン・ファンと早貴被告を乗せて目的地の料…
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<42>早貴被告は運転免許取りたてで1000万円超のベンツを運転
野崎幸助さんは77歳の誕生日を迎えた。その頃のことも、野崎さんに成り代わって私は、このように書いた。 ◇ ◇ ◇ 4月13日に私は喜寿を迎えることができました。 ダブル…